あなたの周りで、「不機嫌な体動や言動をつねに出している人」はいませんか。もしかしたら、それは不機嫌ハラスメントかもしれません。
不機嫌ハラスメントは、している人だけではなく周りにも伝染させる危険性を秘めています。そこで、今回は不機嫌ハラスメントを行う人の心理とその対策について解説します。
不機嫌ハラスメントとは?
不機嫌ハラスメントとは、不機嫌な言動や態度を表に出すことで、周りに悪影響を及ぼすハラスメントのことです。
口調が強くなったり悪態をつくことで、周囲の人に気を遣わせたり仕事の運びが悪くなるなど、日常の業務にも悪影響を及ぼすので、とても厄介です。また、不機嫌ハラスメントは周囲の人も巻き込まれて「不機嫌になる=気分が悪くなる」という悪循環が発生しやすいので注意が必要なハラスメントです。
不機嫌ハラスメントの具体的な内容
職場の不機嫌ハラスメントは、大きく以下の2つに分けられます。
①特定の誰かへの不機嫌な態度
②無意識で不特定多数に対しての不機嫌な態度
不機嫌ハラスメントを受ける人にとって、もちろんどちらも不快ですが「①特定の誰か」に対するハラスメントのほうが問題になりやすいです。
ほかの人には普通の態度なのに、特定の社員や部下に対してだけ不機嫌な態度を取られたこと、一度は誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。
この場合、「立場の弱い人」や「周りに助けを求められない」ような人を狙って、意図的に不機嫌ハラスメントを行っている可能性が高いです。一方、無意識で不特定多数に対して不機嫌な態度を取っている人も一定数いるのは事実です。
このような人は、「もともとそのような性格の人」が多いと考えられます。
詳しくは、次の章の「不機嫌ハラスメントを行う人の心理」で詳しく解説します。
職場で不機嫌ハラスメントをする人の心理
職場で、なぜ不機嫌ハラスメントをしてしまうのか、その心理を紐解いていきたいと思います。
ここでは、具体的に職場の不機嫌ハラスメントをしてしまう人の心理を、4つ解説しますね。
言葉で表現するのが苦手
不機嫌な感情をうまく表現できない人が、不機嫌ハラスメントを起こすことは良くあります。仕事をしていると少なからず思い通りにいかなかったり、理不尽な仕事を任せられるということはありますよね。
感情を適切に伝えられないと、自己主張やコミュニケーションの方法に問題が生じ、不機嫌やストレスが慢性化しやすくなります。感情を適切に伝えられないことは、自身のストレスや不安を解消する手段が限られ、その結果、他人に対して攻撃的な態度を取ることで感情の発散を図ることにつながるのです。
自尊心が低い
自尊心が低い(=自分自身を大切にする気持ちが少ない)人は、他人を攻撃することで自身の価値感を保とうとする傾向があります。ある程度自尊心がある場合、自分の軸としてしっかりと意見や考えを持っているため、周りに流されることはありません。
しかし、自尊心が低いと「相手にバカにされないか」「相手はどう思っているのか」と周りと比較してしまい自分の価値を自分で認めらないのです。そのため、他人を「さげすむ」ことで、自身の不安や自己評価の低さを紛らわせようとする心理が隠れています。
気分のムラが激しい
もともと、性格的に気分のムラが大きい人が当てはまります。自分の気分がいいときはむしろ明るくていい雰囲気をつくりますが、機嫌が悪いときは人が変わったかのように不満をまき散らすことで、ストレスの吐き口にされます。
たとえば、職場の過去の環境を現状に対して不満を言うなど、「機嫌が悪いとき」に何かが起きなくても何かしら理由をつけて悪い空気にさせるので、注意をしても難しいタイプです。
相手にかまってほしい
不機嫌になることで、「相手の気持ちを引きたい」「かまってほしい」という感情が隠れていることも。恋愛相手だと考えると可愛らしいですが、職場で起こる不機嫌ハラスメントは迷惑でしかありません。
仕事がキャパを超えてしまったなど、自分のピンチに気づいてほしくてあえて不機嫌をアピールする場合もあります。
職場で不機嫌ハラスメントをされたときの対処法は?
最後に、職場で不機嫌ハラスメントをされたときの対処法について解説します。
不機嫌ハラスメントの段階ごとに行うべき対応について紹介するので、参考にしてくださいね。
①不機嫌ハラスメントを行う人から距離を置く
まず、対処法としては不機嫌ハラスメントをしてくる人から離れることがおすすめです。
しかし、職場では関わりたくなくても業務上関わる必要があることもありますよね。そのため、「プライベートの話をしない」「必要最低限しか関わらない」ようにしましょう。不機嫌な態度を取ってくる人のなかには、「かまってほしい」ゆえに行動してくる人もいるので、効果がないとわかれば自然と向こうから離れていく可能性があります。
②上司や人事に相談する
距離を置いても継続的に不機嫌な態度を取って来るなら、上司や人事に相談してみましょう。不機嫌な態度を取っている人より上の立場の人に直接注意してもらうことで、無意識に取っている場合なら改善することも。
③配置転換希望を出す
直接指導したあとも、不機嫌な態度が変わらないようなら部署異動や配置転換を視野に入れましょう。自分が異動するケース、加害者が異動するケース両方ありますが、一度指導している後なのでスムーズに希望が通るはずです。
④転職も視野に入れる
ときには、上司や人事に相談しても上が対処してくれない、もしくはそれでも改善しないということもあるでしょう。
このような場合、転職することも視野に入れてみてください。
仕事を辞めれば、その人とは離れられるので必ず悩みは解決します。もちろん、転職は労力もともなうため、最後の手段として取っておくことをおすすめしますが、「最後は転職だ」と思うことで、心の負担を減らすことができますよ。
職場の不機嫌ハラスメントをしている人からは距離を置くべき:まとめ
職場で不機嫌ハラスメントにあってしまった場合の対処法について解説しました。不機嫌ハラスメントに遭遇してしまったら、まずは自分を守るために問題を解決することが重要です。
ただ、不機嫌ハラスメントは職場のやりとりなどでどうしても関わらなければならないなど、自分1人で解決することが難しい場合も多いです。その場合、まずは職場にいる周囲の人や人事に相談してみましょう。
いろいろ手をつくしても難しい、解決しない場合は「転職すること」も選択肢の1つです。不機嫌ハラスメントをしている人を変えることは難しいので、自分が変わるほうが手っ取り早いでしょう。心身ともに疲れる前に、何かしら対策をして不機嫌ハラスメントを回避することをおすすめします。