「精神的な理由での早退は甘えだと思われないか心配」
と、こんな疑問や不安を持っていませんか?あるいは、
「早退すると周りに迷惑をかけてしまうのでは?」
「有給を使って時間休が欲しいけど、それなりの正当な理由がないと言いづらい・・・」
今回は、精神的な理由での早退の正当性・また早退したいときの適切な対処法について分かりやすく解説していきます。
職場生活をより健康的で充実したものにするためのヒントにしてみてくださいね。
精神的な不調のサインと症状
まず、自分や周りの人の精神的な不調に気づくことが重要です。以下のようなサインがないか、チェックしてみましょう。
自己診断のためのチェックリスト
●気分が落ち込み、仕事をしていてもミスを頻発してしまう
●寝つきが悪かったり途中で起きてしまい、日中の眠気で仕事に不都合が生じている
●食欲の変化(増加または減少)
●集中力や決断力の低下が著しく、事故を招きそうな状態になっている
●疲労感や気力の低下が強く、それ以上動くことが難しい
●自己評価の低下、罪悪感が強い
部下や同僚の変化に気づくためのポイント
●遅刻や欠勤の増加
●仕事の質や量の低下
●コミュニケーションの減少
●表情の暗さや元気のなさ
精神的な理由での早退の正当性
「早退するのは甘えではないか」と悩む方も多いでしょう。しかし、早退の正当性は法的にも倫理的にも認められています。
法的観点
労働安全衛生法では、事業者は労働者の心身の健康を確保する義務があると定められています。
「心身」ですから、精神的な不調も身体的な病気と同様に、適切な休養が必要な状態と認識されているわけですね。
企業倫理の観点
従業員の健康管理は企業の社会的責任の一環でもあります。
さまざまなバックグラウンドや経験を持つ従業員が安心して働ける環境づくりを行う事は、企業の義務です。
精神的理由はもちろん、用事があったり「今日はちょっと早く家に帰りたい」という場合の有給時間休なども労使協定を結んでいる場合、認められている制度です。
従業員の健康管理の重要性
職場でのメンタルヘルス対策は、従業員の健康増進だけでなく企業の生産性向上にもつながると報告されています。
つまり精神的な理由での適切な休養は、個人にとっても組織にとってもプラスなのです。
自分を責める気持ちは「自然なこと」
「早退することで周りに迷惑をかけてしまう」
「自分は弱い人間なのではないか」
「他の人は定時まで頑張っているのに」
と自分を責めてしまう方も多いでしょう。
正しい考え方とは言えないものの、日本の現状では「なにごとにも耐えて働くことが美徳である」という思考がまだまだ蔓延している面も否定できません。
そのため、「このまま続けていても苦しい」「早退するのも、それを伝えるのもしんどい」という矛盾に苛まれることもあるでしょう。
早退したいと伝えるのも辛いのに、その選択肢が思いつく時点で「思っている以上に自分は仕事が辛い」ということなのかもしれません。
自分の不調に気づくバロメーターにするのもよいでしょう。
適切な休養を取ることは「自己ケア」の一環です。
長期的な生産性と心の健康を維持するために不可欠なこと、と考えるとよいでしょう。必要な時に休むことは「弱さ」ではなく、自分自身と仕事に対する「責任ある行動」なのです。
ただほとんど毎日早退するかしないかを考えるほど辛いのであれば、今の職場そのものが合っていないかもしれないので、休職や転職も視野に入れる必要があるかもしれません。
早退の適切な伝え方とマナー
早退を決めたら、適切な方法で伝えることが重要です。以下のポイントを押さえましょう。
上司への報告方法
●できるだけ直接会って伝える
●状況を簡潔に説明する(詳細を話す必要はありません)
●休養後の予定(例:明日は出勤予定)を伝える
同僚へのフォロー依頼の仕方
●緊急の仕事がある場合は、誰にお願いするか上司と相談する
●同僚に直接依頼する際は、感謝の気持ちを伝える
●後日、お礼を言うことを忘れずに
言葉遣いと態度のポイント
●謝罪の気持ちは伝えつつも、過度に謝らない
●「○○の症状があるため」など、具体的に伝える
●前向きな姿勢を示す(例:「休養して早く回復したいと思います」)
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まとめ|精神的な理由で仕事を早退する際は適切な方法をチェック
働く人の心の健康は、自身にとっても周りの人にとっても、そして社会全体にとっても大切です。
「休むことは弱さの表れ」という古い価値観から脱却し、適切な休養を取ることは責任ある大人の行動だと認識しましょう。
自分を大切にし、心身ともに健康であることが、充実した仕事生活の基盤となります。精神的な理由での早退は、法的にも倫理的にも正当なものです。
むしろ適切な休養を取ることが、長期的には個人の健康と組織の生産性向上につながり、満足度の高い社会生活を送ることができる、と考えるほうがよいでしょう。