仕事の振り返りをしたいと思っていても、書き方がわからないと思っている人もいるでしょう。

仕事の振り返りは「単に反省する」だけではなく、自身の強みと弱みを理解して業務の質を向上させることができます。

そこで、今回は仕事の振り返りに有効なフレームワーク3選と具体例について紹介します。

仕事での目標の振り返りとは

目標の振り返りは、仕事において重要な役割を果たしています。

振り返りをすることは「自分の仕事を客観視して仕事に対する考え方や業務フローを見直す」効果があり、成長や効率的な目標設定にも必要不可欠なものです。

過去を振り返って反省するだけではなく、将来の成功への道しるべにもつながります。

振り返りの基本的なフレームワークと例文

仕事の振り返りを行うときには、フレームワークを活用すると良いでしょう。

フレームワークとは「ビジネスで物事を考えるときに用いる枠組みや骨子」のことで、思考の整理や分析に使われるものです。

振り返りにも有効な3パターンを例文と一緒に紹介するので、自分の振り返りに何が使えるのか当てはめて考えてみてください。

YWT:目標を振り返って成長を促す

YWTは、

  • Y:やったこと
  • M:わかったこと
  • T:つぎにやること
の3つの要素で、それぞれの頭文字をとった造語です。

業務を軸とした振り返りよりも「人を軸にした振り返り」をしたいときに使うことが多く、個人の経験を振り返るときにおすすめなフレームワークです。

Y(行動したこと)に対して、M(気づいた学び)を、T(どのように将来の目標や行動に活かすか)を考えることができ、個人の成長を促すことにつながります。

そのため、YWTは個人で掲げた目標の振り返り以外にも、以下のような場面で使われます。

・日報や週報の作成
・上司との面談
・研修に対する振り返り

YWTを実際に使用するときの例文

実際に、YWTを使用するときの例文を見ていきましょう。

(シチュエーション)初めて企業に対してプレゼンを行う

  • 【Y(やったこと)】企業に対して新製品のプレゼンを実施
  • 【W(わかったこと)】先方の要望と自分の理解が間違っていた
  • 【T(つぎにやること)】クライアントの要望にどこまで応えられるか確認、次回プレゼン時にフィードバックを反映したオプションを提案する

このとき重要なのは、やったこと(Y)とわかったこと(W)を率直に書き出すことです。

成功したことはもちろん、失敗したことも書くことで自然と学びにつなげることができます。

そして、最後につぎにやること(T)は具体的に書きだし、良い点は継続、悪い点は改善案を考えましょう。

次回の振り返りではつぎにやること(T)→やったこと(Y)になるので、振り返りを継続することで個人の成長促進につながっていきます。

KPT:課題が見えないときは問題点の洗い出しに有効

KPTは、「K(Keep:よかったこと)」「P(Problem:悪かったこと、改善点)」「T(Try:どうやって解決・改善するか)」の頭文字をとった造語です。

チーム全体でプロジェクトの課題や解決方法を共有し、次にやる具体的な行動を明確化したいときに有効な方法です。

3つの要素からなるシンプルなフレームワークなので、個人の目標設定の振り返りから複数の職種をまたいだ大きなプロジェクトまで、幅広いシーンで活用されています。

KPTを実際に使用するときの例文

実際に、KPTを使用するときの例文を見ていきましょう。

(シチュエーション)営業の目標を振り返る

  • 【K(良かったこと)】営業の活動量を2倍に増やすことで、前月比200%を達成した
  • 【P(悪かったこと)】個人では達成したものの、チーム内の上位成績と下位成績者の差が激しい
  • 【T(つぎにやること)】若手が育っていないため、入社3年以内の社員にメンターを設けて110%以上の売上を達成する

KPTは短期間での振り返りが必要なプロジェクトや、営業の目標設定を振り返りするにも適しています。

KPTを使って振り返りをするときには、「良かったこと(Y)」「悪かったこと(W)」は結果だけではなくその結果に至ったプロセス・要因まで明らかにすることが重要です。

そのうえで、つぎにやること(T)を実践できる数値化できる目標に設定すると良いでしょう。

数値化できる目標に設定することで、途中経過でも明確に管理でき進捗管理もしやすくなります。

PDCA:マネジメントするときの振り返りに有効

PDCAは「P(Plan:計画)」「D(Do:実行)」 「C(Check:評価)」 「A(Act:改善)」で作られたフレームワークです。

業務効率化や品質向上、目標達成のプロセスを継続的に改善するときに有効な方法です。

PDCAを実際に使用するときの例文

(シチュエーション)オンラインサイトの訪問者を改善する

  • 【P(計画)】マーケティング戦略を決めて、ターゲット顧客を拡大する
  • 【D(実行)】サイトのデザイン変更や訪問者に役立つ情報を掲載する
  • 【C(評価)】どれくらい達成したかを分析して、性別や年代の訪問者属性や平均滞在時間などを確認する
  • 【A(改善)】Cで出された課題をどう改善するかを分析して目標に対する改善策を考える

PDCAの目的は、1回のプロジェクトの中で、短いスパンのサイクルを回しながら常に改善策を考えることで最終的な業務の成果向上につながることです。

最近では、業種や職種を問わず、成果を出すマネジメント手法として知られています。

まとめ|仕事の振り返りを実践してみよう

今回は、仕事の振り返りをするときのフレームワークとその例文について紹介しました。

振り返りをすることで次の目標に対して改善することができ、業務の効率化や個人の成長につながる効果があります。

ぜひこの記事を参考に、仕事の振り返りをして自身の仕事を最大化してみてはいかがでしょうか。